​Shigetoshi Furutani

７０～９０年代にかけて日本全土で大きな社会問題となった暴走族。この作品は、カウンターカルチャーとして世界でも独特の文化を生み出した彼らの日常をアーカイブとして保存することで、彼らを知らない世代や他の国の人々に提示し、社会問題に対しての価値観や、文化の役割について再考するきっかけを提供することを目的として作られたデジタル風俗画です。

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暴走族文化は十代の若者を中心に日本全国に広がり、全盛期には８００を超えるチームが確認され、８０００人も超える検挙者が出ています。昼夜を問わず繰り返される爆音での集団走行や、道路交通法を無視した危険な暴走行為により当時最大の社会問題として取り上げられました。同時に、暴走族は様々な文化を生み出しました。全身に彼らそれぞれのメッセージの刺繍が施された”特攻服”、アクセルとクラッチ操作で高速リズムを奏でる”コール”と呼ばれるバイクを使った演奏方法、ロケットカウルや三段シートと呼ばれる変形パーツやカラフルな色を使った車体のカスタム、そしてネガティブな当て字を使って記述され、様々なシーンで多用された”夜露死苦”という言葉など、アイコニックなものが溢れています。

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世界中でヒッピーやパンクなどの反社会とされる文化が、現在でも様々な人々に時代を超えて影響を与えています。日本最大のカウンターカルチャーである暴走族文化を当事者ではない人々にも発信することで、客観的な視点や新たな観点を生みだし、価値観の発展へと繋げていきます。