​Shigetoshi Furutani

周りの人間を見ると分かる様に、誰ひとりとして同じ人間はおらず、求めているものも違っているにもかかわらず、一つの理想を求める社会のありかたと、自身の、理想を求める思考の構造の間に共通項と疑問を見出し、その葛藤を、キリスト教のヒエラルキー構造を描いたThe Triumph Of Immaculate (Paolo De Matteis 1662-1728) をリメイクすることで表現しています。

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人間よりも完璧な存在である神が人間の上に位置するという、神を物差しにしたヒエラルキーが生まれるのであれば、神を目指し、完璧になることを求められる環境においては、神の教えをより体現出来ている人間は、そうでないものよりも上の位に位置するというヒエラルキーが人間の中にも生まれてきます。しかし、完璧な教えをプログラミングされたアンドロイドを人間が作り上げた場合、神と同等の位置を得ることが可能になり、そのアンドロイドの創造主である人間と、神との位置に矛盾が生じることになります。

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私の脳内においても同様に、自分自身を自らの理想に近づける為に常に議論や選択が行われており、その議論は、これまでに経験した様々な事柄に序列をつけ、日々更新されていますが、失敗や型破りなものから新たなスタンダードが生まれることがある様に、不完全で不可解なもの、いわゆる完璧とは真逆のベクトルを持ったものに興味を奪われることがあるのです